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【GDO TALK Vol.6】「リアル店舗には負けない」サービスを創る。物流業務の向こう側へ

インターネット通販における物流の役割は大きい。正確な在庫管理、納期厳守、オペレーションの効率化。当たり前のことを当たり前に守ってはじめて合格となる世界では、日々絶え間ない改善が求められる。「オペレーションの精度を左右する重要な要素は、“人間関係”」と話すのは、GDO茜浜物流センター責任者の川崎だ。今なお成長を続け、どんどんと流通量が増えていくGDOショップを縁の下から支え、リアル店舗には負けないサービスを目指している。

増床したばかりのGDO物流センターで、責任者の川崎に話を聞いた

川崎 有(かわさきゆう):リテールビジネスユニット フルフィルメント部 部長。千葉県出身の47歳。GDO自社物流倉庫立ち上げ初期に参画、今年で13年目。倉庫業務全般を統括しながら、新たな物流拠点の在り方を模索中。ゴルフ歴は約10年。最近の関心ごとは、水耕栽培とゴルフクラブのライ角。地元のサッカークラブ、ジェフユナイテッド市原・千葉が好き。

――社内のだれに聞いても「GDOの物流のことなら川崎に聞くのが一番」という話でした。まずは、GDO茜浜物流センターの生い立ちのようなことから教えてもらえますか?

私が一番かどうかはわかりませんが、知っていることなら喜んで! まず、GDOの創業は2000年ですが、自前の物流倉庫を持つに至ったのは2004年のことです。それまで、インターネット通販である「GDOショップ」は、受注商品をすべてメーカーさんから直接お客さまに配送するという仕組みで発送を行っていました。インターネットで買い物をするお客さまが年々増加し、GDOの販売数量も増えて先方の負荷が増大してきたことから、仕入れ力の強化や納期短縮を鑑み、自社で在庫を持つ方針に切り替えました。以来、GDOの物流拠点はここ千葉県習志野市茜浜にあります。

――現在、茜浜物流センターでは、何点の商品が出荷を待っているのですか?

平均在庫数は30万点。取り扱いメーカー数でいうと370以上。一日当たりのサイト掲載数だと300アイテムになります。「ゴルフ専門」のインターネット通販サイトでこの規模の物流を持っている企業は他にはないと思います。ただ、ショップが拡大するにつれ、商品数だけでなく、利用するお客様のご要望レベルも高くなってきますから、倉庫の運営力強化に努めています。弊社でお買い上げいただいた商品を、いかに迅速に確実にお客さまにお届けするか――。当たり前のことですが、これこそがECサイト事業者にとっては「肝」の部分。配送システムの構築と安定化は、非常に重要なポイントだと思っています。

――「安定化」という言葉にも表れていますが、30万点の商品から注文を受けた1点を見つけ出して出荷し、在庫データベースにも反映していく作業は、考えるだけでも大変そうです。

私は2005年のGDO入社で、物流センターの立ち上げの頃から関わってきたのですが、在庫管理、納期厳守、梱包のノウハウ蓄積、コスト管理・・・当時ははなかなかすべてのことが完成形にならず、苦労の連続でしたね。当時のお客さまには、いろいろとご迷惑をおかけしたと思います。出荷量が今ほどでもないにも関わらず、システム連携が安定していなかったこともあって誤配送や在庫数量ミスなども多かったんです。

ですが、いまでは定期的な在庫数チェックで「30万個の在庫のうち、データベースとの誤差が1個」という驚異的な精度を誇っています。これは物流業界全体を見渡してもなかなかない数字で、お取引先に「本当ですか?」と疑われてしまうくらいです(笑)

30万個の在庫を限られたスペースにいかに収納するか-は重要なノウハウだ

――どのように今の業務レベルを構築してきたのですか? 秘訣を教えてください。

月並に聞こえるでしょうが、ここまで来れたのは、委託先も含めた倉庫内スタッフが一丸となり、コツコツと業務改善やノウハウ蓄積に努力を重ねてくれたおかげなんです。この茜浜では、GDOの社員と委託先のスタッフが協業して働いています。倉庫立ち上げ当初は、ゴルフについて深く知識があるスタッフばかりではなかったので、たとえば「アイアンセット」という概念が分からずに、数本あるセットのうち1本だけを発送してしまったこともありました。ゴルフをしたことがないと、そういうことがパッと分からないんです。スタッフ一人ひとりとコミュニケーションをとり、コツコツと効率よくピッキングできる商材の並び順や分類方法のノウハウ、ティーからキャディバッグまでさまざまな大きさのアイテムをいかに無駄なく収納するか、などを毎週協議を重ねてマニュアルを改善してきました。

――地道なマニュアルの改善だけですか?

まだ突っ込みますか(笑) うーん、オペレーションの精度という点に関しては、「人間関係」が大いに関係すると思っていますね。私は、委託先のスタッフに関しても「部下」だと思って接していますし、「GDOのために頑張ろう」と思ってもらえるような地道なコミュニケーションを大切にしたいと心掛けています。茜浜では現在、GDOのスタッフと委託先のスタッフを合わせると、トータルで約80人が働いています。まずは私が、「挨拶をする」、「気軽に声をかける」といった基本的なことを忘れず、「エラい人」かのように振舞わないよう気を付けています。それは、現場のスタッフから声が上がるような雰囲気を保ちたいからです。実際、現場スタッフの方からアイデアでオペレーション方法が大きく変わることも、決して珍しいことではありません。スタッフの定着率が高く、“10年選手”になる人も多いことは、私の自慢です。たまに年齢を聞くと20歳だった子が30歳になっていたりして、「えーっ」となりますね(笑) 彼らなくしてGDOの出荷はあり得ない、心からそう思います。

スタッフのことを話すとき、川崎はこんな顔になる

――立ち上げから丸14年、業務効率もスタッフとのチームワークも進化してきた茜浜物流センターですが、今後の展開や目指すところはどんなことでしょう?

今後目指すところとしては、「リアル店舗に負けないサービスを創る」こと。例えば、リアル店舗でゴルフ用品を買えば“名入れ”をしてくれたり、グリップ交換してくれたり、ギフト包装などにも対応してくれますよね。「インターネットだからできない」ということは、私たちにとっては歯がゆいことです。できないことを少しずつでもできるようにしていきたい。その一環で始めたこととして挙げられるのが、倉庫内への工房設置です。我々GDOは新品も中古品も両方扱っていますが、中古クラブと新品グリップをサイトで同時購入はできても、装着はお客様自身がどこかの店舗に持ち込んで作業を依頼することになります。それってお客さまにとっては煩わしいことですよね。発送前に倉庫内の工房で組み上げができれば、手間を省くことができます。このように作業だけでなくインフラも改善を続け、もっともっと「便利だな」と思ってもらえるサービスを目指していきたいですね。

中古クラブの査定やクリーニングなども倉庫内で行っている

もう一つは、「もっとお客さまに寄り添える体制に」ということです。倉庫はお客さまに商品をお送りする大切な接点ではありますが、毎日じかにお話することはできません。そこで、お客さまとの距離をより縮めるために、別拠点に集約されていたカスタマーサポートのメンバーを茜浜にも常駐する体制へと変えていきます。物理的に同じ場所にいれば、日々流動的に変化する配送の状況や在庫の状況をほぼリアルタイムに共有できるので、お客さまへの回答・対応も早くなります。そして、お客様からいただく多くのご意見をより早く、物流、仕入れ、販売促進にも反映できるようになる。さまざまな事業があるGDOの中でも、ビジネス全体を循環させ、成長させる起点となる。それこそが「リアル店舗には負けないサービスを創る」道筋だと考えます。

――GDO全体にとっても、大きな目標といえそうですね。

私たちは「ゴルフの会社」なので、ゴルファーの皆さんのかゆいところをどれだけかくことができるか。とにかくそれを徹底的に追及して、お客さまがこうしてほしいと思うことをすべて具現化する。それが使命だと私は思っています。


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