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【石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.7】サンディエゴで人生を楽しむヒントを探す

取材・構成 今岡涼太


2017年11月、GDO代表の石坂信也は、家族を連れて米国カリフォルニア州サンディエゴに移住した。米国は自身が小学1年から中学1年までの多感な時期を過ごした地。とはいえ、上場企業を経営しながら、しかも妻と3人の子供を抱えた生活拠点の大転換である。その決断には、巨大マーケットへの挑戦だけでなく、米国のライフスタイルを吸収し、そのエッセンスを仕事に反映していきたい願望もあったという。今回の「未来日記」では、現地取材を通して石坂の日常に触れながら、視野にある景色のレポートを試みる。

5年前に米国サンディエゴに拠点を移した弊社代表の石坂信也


石坂 信也(いしざか のぶや):1966年12月10日生まれ。成蹊大卒、ハーバードビジネススクールMBA。三菱商事に10年間在職した後に独立し、2000年5月 (株)ゴルフダイジェスト・オンラインを設立。代表取締役社長。ゴルフ総合サービス企業として、ゴルフビジネスとITを組み合わせた事業モデルを積極的に推進している。2004年東証マザーズを経て、2015年9月東証1部上場。

石坂と合流して最初に向かったのは、石坂邸から目と鼻の先にあるフェアバンクスランチ・カントリークラブ。駐車場の目の前に芝生の練習場が広がっていて、打席では数人のゴルファーが練習を行っていた。

「まず、ここが典型的なんだけど、夕方になると欧米人はクラブハウスに集まって飲み食いしていて、この練習場に残っているのはたいていがアジア人でジュニアなんかも多いのね。人生を楽しんでいる欧米人と、黙々とゴルフをまじめにやっているアジア人っていう対比を感じられるよね」

-どんな背景があるのでしょう? もしかして、欧米人は昼間に練習する余裕があるのですか?

「いや、そうじゃないんだよ。どちらかというと、欧米人は“楽しむこと”を本当に重視していると思う。勉強なんかにしても、うちの子供たちが行く学校で(中学卒業にあたる)8 年生の表彰をされた成績優秀者は、大半がアジア人なの。アジア人が規律や努力を求めるのに対して、欧米人の平均的な家庭では、子供の価値観もある程度大事にして、押し付けたり、精神論で鍛えたりっていうのはあまりしない。俺が意識しすぎなのかもしれないけど、こっちにいるとそういうところが目につくよね」

「このゴルフ場はいま人気があって、メンバーとしても予約を取るのが大変なんだけど、たとえば2週間前の朝6時のネット予約解禁日に良いティタイムを抑えるのは、かなりの割合でアジア人なの。その一方で、彼らはディナーパーティやカップルズトーナメントなんかには、あまり出てこない様子。これはやっぱりカルチャーだと思うのね。ゴルフカルチャーとも言えるし、そもそも楽しむカルチャーなのかもしれないよね」

フェアバンクスランチCCの練習場。芝から打つのが米国スタンダード



石坂は練習場にいた顔見知りのレッスンプロと言葉を交わすと、コースをあとにして西に向かった。車で15分も走れば太平洋に突き当たる。途中、右手に広大な芝生のグラウンドが現れた。

「これはナイキが所有しているサッカー場で、芝のグラウンドが30面くらいあって、週末には大勢集まって試合をしている(※2017年の世論調査でサッカーは、米国内でアメフト、バスケ、野球に次ぐ4位の人気スポーツとなった)。この先には、競馬だけじゃなくて馬術やショーもやる“デルマー・ホーストラック”という有名な場所があって、その反対側にはミニチュアゴルフを併設したゴルフ練習場がある。トーリーパインズもここから10分くらいだね」

-海が近くて、一年中気候が良くて、スポーツ施設もたくさんある。豊かですね…。

「豊かっていうことでは、サンディエゴは見方によっちゃ、さすがにゴルフメーカー(テーラーメイド、キャロウェイ、タイトリスト、コブラほか)が、みんな本社を構えているだけのことはあるなって思うんだよ。トーリーパインズでもう何十年も世界ジュニアをやっていたり、練習場のバラエティや地域への密着度、ゴルフにアクセスできる手軽さなんかを考えると、この地域にゴルフが広く、深く根付いているのは間違いないよね」

ミニチュアゴルフ場で「これもゴルフ」と石坂



そんな話をしているうちに、石坂が運転する車はデルマー・ゴルフセンターに到着した。全打席にトップトレーサーが導入された打撃レンジとアプローチ、パター練習場があり、その隣には、まるで遊園地のような雰囲気のミニチュアゴルフ場もある。

-このミュニチュアゴルフはかなり難易度が高いですね。一般向けにやるとなったら、日本だと「これじゃ難しすぎる」っていう意見がすぐ出てきそうです。

「日本のミニチュアゴルフと同等のものは、どちらかというと子供向けだよね。なんか、大人やゴルファーにとっては全然面白くない設定にしちゃっている。過保護なのか分からないけど、ちょっとでも難しかったり、危険だったりしたらダメみたいな、やたらとそういう制約条件が多い気がするけれど、もったいないよね」

壁の穴に球を入れるミニチュアゴルフのホールの1つ



-日本ではそういう制約条件が変わらないっていう前提で、既存社会や文化に合ったことをやっていった方が良いんですかね?

「いや、俺はそうは思わないね。もっとはみ出ていい。もし、今までのそういう常識が堅っ苦しくて、つまらないんだったら、そこからはみ出ればいいだけだよね」

-なるほど。うちは社長が 1人でアメリカに行っちゃうぐらい、はみ出しちゃっていますから、社員としてもはみ出しやすいです(笑)

「うん、いやでもそういうことだろうね、ひょっとしたらね…(苦笑)。みんなにとって米国移住は、ちょっと現実的な感覚じゃなくて、いきなり行きすぎちゃっているのかもしれないけど…。本当は、うちのゴルフ場予約とかオンラインショップとかで、もう少し“非常識”なことをそろそろ狙ってやって欲しいんだよ。最初はインターネットでやるっていうことだけで目新しさがあったんだけどね」

<続く>

デルマー・ゴルフセンターで出会った親子



【石坂信也のゴルフ未来日記】
Vol.6 企業として向き合う「SDGs」 GDOが目指す姿とは?
Vol.5 コロナ禍で確信した「働き方」と「遊び方」のアップデート
Vol.4 世界最大の展示会で分かるゴルフの「今」。アメリカで考える日本の立ち位置
Vol.3 アメリカから見る日米ゴルフの共通点と大きな差。海外展開を加速し、日本国内に還元していく
Vol.2 ゴルフは「旅に出る理由」になりうるか。ゴルフ×ツーリズムの可能性を考える
Vol.1 製品もサービスもオーダーメイドする時代へ。十人十色のゴルフを実現するために

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