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【石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6】企業として向き合う「SDGs」 GDOが目指す姿とは?

写真・村上悦子


世界のアパレル業界では今、サステナビリティが重要視される傾向にある。その背景には、ファストファッション化が進んだことで、国連貿易開発会議(UNCTAD)から「世界第2位の汚染産業」と名指しされ、自分たちが変わらなければ、地球環境への悪影響だけでなく、ブランドイメージの失墜にもつながり兼ねないという危機感もあるのだろう。もちろん、「SDGs」はゴルフ界とも無縁ではない。GDO代表の石坂信也に、今のアメリカ社会で感じる変化と、これから我々が目指すべきサステナブルな活動への思いを聞いた。

石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6

今、企業として「SDGs」にどう向き合うかが問われている


石坂 信也(いしざか のぶや):1966年12月10日生まれ。成蹊大卒、ハーバードビジネススクールMBA。三菱商事に10年間在職した後に独立し、2000年5月 (株)ゴルフダイジェスト・オンラインを設立。代表取締役社長。ゴルフ総合サービス企業として、ゴルフビジネスとITを組み合わせた事業モデルを積極的に推進している。2004年東証マザーズを経て、2015年9月東証1部上場。

石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6

多くのアパレルブランドがサステナブル化への変革を求められ、「SDGs」を掲げている



--生活拠点としているアメリカで、アパレル業界のサステナビリティへの取り組みをどのように感じていますか?

今はアパレルブランド自体が、自分たちの思想や哲学、ポリシーを持たないとブランドとしての存在感が打ち出せなくなっていると思います。環境や社会に対する確固たる主義主張があり、それがファンや顧客との一体感を生み出している。現在、評価されているのはそうしたブランドで、米国アパレルのトレンドとなっています。

石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6

これからの衣類は自然、人、社会など全ての環境に対してサステナブルでなければならない



--ファッションを取り巻く環境は、コロナ禍でなにか変化があったのでしょうか?

アメリカも新型コロナウイルス感染拡大により、ステイホームとワークフロムホームが一気に進みました。そんな中で、スポーティなアスレジャー(※編注:アスレチック+レジャーを組み合わせた造語)は非常に伸びていると思います。その傾向は、特に西海岸で顕著です。もちろん、アメリカ人はメリハリがはっきりしているので、TPOをわきまえてフォーマルな時は着飾りますが、普段は動きやすくて機能的、素材も肌触りが良いアパレルが普及していますね。

また、アパレル業界にはグローバル化やチェーン化への反動も起きており、ローカルなものを大切にする機運が高まっています。私が住んでいるサンディエゴ郡にエンシニータスという街があるのですが、そこ発祥の地元ブランドはクオリティも高く、私も気に入ってよく着ていますよ。地元ブランドへの愛着が生まれることも雇用創出などの観点から、サステナビリティにとっては大切なことではないでしょうか。

石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6

石坂が着ているのはエンシニータスで生まれた「VUORI(ヴオリ)」のTシャツ。環境保護や人権運動にも力を入れているブランドだ



--ローカルと言えば、GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスは地域密着の活動を続けていますね。

「PLAY YOUR LIFE」の舞台として、GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスは、今後さまざまな取り組みの実験場になっていくと思います。自然が破壊されるなど、ゴルフ場に対してさまざまな批判があることも理解していますが、すでに日本には、アメリカ、イギリスに次いで世界で3番目に多いゴルフ場(2202施設/R&A、2021年)があり、それ自体が地域におけるエコシステムの重要拠点になっている事実もあります。実際、GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスは、周辺地域の広域避難所に指定されています。

これまでのGDOは、予約支援やオペレーションの効率化・自動化でゴルフ場をサポートさせていただきましたが、これからはゴルフ場を有効活用することで、社会や地域に還元していきたいと思っています。それが「SDGs」につながるのであれば、成功例を作って、他のゴルフ場にもぜひ提案していきたいと思っています。

石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6

ゴルフ場は、もはやゴルファーだけのものではなく、地域の人々も集まれる場所となる



ーー製品を作るメーカーではないGDOは、事業活動と「SDGs」をどのように両立していくのでしょうか?

「SDGs」には、経済成長、社会的包摂(※編注:社会的排除の反対概念)、環境保護という3要素の調和が欠かせないと言われています。現在、多くの企業が「環境保護」という観点から「SDGs」の取り組みを行っていますが、我々はゴルフというスポーツを通じて社会的包摂を高めることができるのではないか?と考えています。1人でも多くの人を排除や摩擦、孤独や孤立から援護して「社会をより豊かにする」ことで、「SDGs」に貢献できないか?という模索です。

単にゴルフライフの充実ということだけでなく、ゴルフ場を起点に視野を広げていくことから始めています。コロナ禍で修学旅行に行けなかった地元の小学生をゴルフ場に招待した「卒業イベント」や、ヨガや星空鑑賞が楽しめる「ナイトピクニック」、コースの一部を愛犬との散歩エリアに開放した「WanDay(ワンデイ)」などは、ゴルファー以外の方々にも喜んでいただける活動だと自負しています。

ーーGDOが掲げる「PLAY YOUR LIFE」というスローガンも、突き詰めれば「持続可能な社会」につながっていくのですね。

振り返れば、GDOが手がけてきたリモートワークなど働き方に対するこだわりや、ペーパーレス化などのオフィス環境の整備なども、「SDGs」と言えるのかもしれません。大切なのは「SDGs」をゴールとするのではなく、正しいと考えることに積極的に取り組み、結果としてそれが「SDGs」になっているか? ということ。自分たちのスタンスを冷静に見極めていくことではないかと思っています。

<了>

【石坂信也のゴルフ未来日記】
Vol.5 コロナ禍で確信した「働き方」と「遊び方」のアップデート
Vol.4 世界最大の展示会で分かるゴルフの「今」。アメリカで考える日本の立ち位置
Vol.3 アメリカから見る日米ゴルフの共通点と大きな差。海外展開を加速し、日本国内に還元していく
Vol.2 ゴルフは「旅に出る理由」になりうるか。ゴルフ×ツーリズムの可能性を考える
Vol.1 製品もサービスもオーダーメイドする時代へ。十人十色のゴルフを実現するために

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