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「本物の現場」こそが、ゴルフファンを生み出す最善の場所。大東建託・いい部屋ネットレディス子供の社会科見学イベントレポート

小学校低学年だろうか。少しおとなしそうで、話しかけてもなかなか言葉を返してもらえない。いくつかの問いかけを試みた中で、やっと答えてもらえたのは「好きなプロゴルファーは?」という質問だった。「諸見里しのぶ!」。驚くほど輝いた顔での回答だった。はじめてのトーナメント会場、生で見るプロゴルファー、そこで働く多くの大人たち。子供たちがその日感じたのは、どんなことだっただろう。夏休み第1週の7月下旬に、国内女子ツアーの試合会場を社会科見学したKIDS GOLFの子供たちの一日を追った。

最終ホールを終えたプロとハイタッチ。なんとも豪華な社会科見学だ!

「大東建託・いい部屋ネットレディス」の行われた山梨県の鳴沢GCは7月27日(金)、風が気持ちの良い晴天となった。大会2日目。GDOのグループ会社で、ジュニア向けゴルフレッスン事業を行うKIDS GOLFの生徒たちが、足を踏み入れた。普段からゴルフが身近な存在である子供たちだが、プロの試合会場となるとわけが違う。いつもレッスンで通う練習場やゴルフコースと空気感が全く異なることを敏感に感じ取っているのか、落ち着かない様子でキョロキョロしている。

今日はトーナメント会場の雰囲気を感じ、そこで働く大人たちの仕事を知ることができる一日がかりの社会科見学だ。小学生から中学生までの計20人が今回の企画に参加した。最初に向かったのは、ツアーを取材するメディアの記者たちがいるプレスルーム。彼らがどのように記事を書いているのかという説明を受ける。その後、隣にあるインタビュールームで疑似記者会見を体験した。この前日のツアー初日には、参加者とそう年齢の違わない17歳のアマチュア安田祐香(兵庫・滝川第二高3年)が、1打差2位発進で記者の質問を受けた席だ。選手役と記者役に分かれて、インタビューを行う。「好きな食べ物は何ですか?」という質問に、「さび抜きのサーモン」との回答。子供らしいのか、寿司屋慣れしているのか?という答えに後ろで見ていた大人たちはどっと笑う。頼もしい。数年後が楽しみだ。

質問を募る間、選手役の子供はちょっと緊張している

次に向かったのは、1番ホールのスタンド席。国内女子ツアーの大会で唯一、パー3をスタートホールとして使用する鳴沢GC。プロ選手とはいえ、スタートホールがショートホールというのは難しいものなのだそう。独特の緊張感に包まれる会場、選手紹介のアナウンス、拍手で迎える観客たち。ゴルフというものに慣れているからか、その空気を子供なりに読めているからか、観戦席にちょこんと座っておとなしく見ている。約1時間そこでプレーを見た後は、ギャラリープラザで昼食をとった。高原を渡る気持ちの良い風、並ぶ屋台、一面に広がる美しい芝生。ゴルフに興味がない人でも一度来てみたらハマってしまうのではないかと思うほどの心地よい空間だ。

そんな環境の中でハイキングよろしく歩き回って体を動かしたおかげか、子供たちの緊張がだんだんとほぐれてきた。“子供の特権”を理解し始め、試合中の選手にロープの外から「頑張ってくださーい!」と叫ぶと手を振ってもらえるという技を会得。さらに、練習場に足を伸ばして子犬のような目で見ているとサインがもらえるという必殺技も覚えた。テンションは右肩上がり。ただただ走り回ってサインを集めることに夢中になった生徒もいたが、間近で見るプロゴルファーのオーラや存在感はきっと忘れられないものになっただろう。そのとき感じた「カッコよかった」「素敵だった」という感覚は、ゴルフを好きでい続ける原点になるかもしれない。

1番ホールのスタンド席で、はじめてのトーナメント観戦!

高齢化社会の進行、スポーツ産業のグローバル化、競技間の人気争いの加速などもあって、日本のゴルフ界では近年、トーナメントを盛り上げようとさまざまな取り組みが行われ、プロもファンサービスに余念がない。既存ファンの満足度を上げるだけではなく、このように子供たちが生の試合に触れ、プロが戦う緊張感と観戦の面白さを知る企画は、将来のゴルファーやギャラリーを育てる地道な活動といえる。

生徒たちが最後に訪れた場所は、9番ホールのグリーン脇だった。ホールアウトした選手たちにハイタッチをしてもらえるエリアだ。子供たち念願のイ・ボミ選手もやってきた。2015、16年の賞金女王は、子供たちにも別格の人気ぶりで彼女との至近距離に大興奮。ハイタッチを終え、彼女のサインまでもらった小学4年生の女子は、「なんて最高の日なの!夢みたい!」とまるで映画のワンシーンのようにスキップをした。

好きな選手は諸見里しのぶ、ということだけは嬉しそうに教えてくれた子。イ・ボミ選手のサインに天にも昇るような気持ちで足を弾ませた子。「プロゴルファー」という存在が、子供が憧れるスターの一人であることは喜ばしい。厳しい勝負の世界で戦い、その人間性で人びとを魅了し、心をつかむ。トーナメント会場が面白くエキサイティングなのは、プロ選手たちの人生をかけた戦いの場所だからだろう。緊張と緩和を絶えず繰り返すその空気を肌で感じたこと、鍛錬の積み重ねで磨き抜かれた技をその目で見たこと、それは子供たちの心に強く刻まれたと思う。「本物の現場」こそが、ゴルフファンを生み出す最善の場所に違いないことを改めて確信した。

たくさんのプロからサインをもらって、大興奮の一日に!

■大東建託・いい部屋ネットレディス トーナメントスペシャルサイト

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文・PLAY YOUR LIFE編集部/星 写真・角田慎太郎

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